PR

「宝島」ロバート・ルイス・スティーヴンソン:Robert Louis Stevenson – Treasure Island

ブックス・読書
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

Treasure Island (1934)- Truce and battle

Treasure Island (1934)- Truce and battle

Treasure Island (1950) Trailer | Bobby Driscoll | Robert Newton

Treasure Island 1950 Trailer | Bobby Driscoll | Robert Newton

スポンサーリンク

「宝島」(Treasure Island:1883)は、スコットランドのエディンバラの作家ロバート・ルイス・スチーヴンソン(Robert Louis Stevenson:1850-1894)の33歳のときの、世界文学史上に残る傑作海洋冒険小説です。

スポンサーリンク

Treasure Island | Full HD Movies For Free | Flick Vault

オーソン・ウェルズ主演「宝島」

公開日: 1972年10月30日 (イギリス)
監督: ジョン・ハフ、 アンドレア・ビアンキ

スチーヴンソンは、子供の頃に聞いた物語やイギリス各地に伝わる海賊の物語を参考にして、子供向けの冒険小説として、「宝島」を書きました。
大航海時代の訪れとともに、イギリスは海外領土獲得において、スペインやポルトガルに遅れをとっていたため、国策として敵国の財産の収奪を許可する私掠免許を発行しました。このイギリス国王公認の私掠船(privateer)が西アフリカやカリブ海を舞台に活躍したのは16世紀頃からです。1716年から1718年にかけてカリブ海を荒らしまわった、イギリスのブリストル出身のエドワード・ティーチ(Edward Teach:1680?-1718)通称「黒髭ティーチ」も、スペイン継承戦争で国王から私掠免許を受けた船の乗組員でした。ティーチは、フランス国籍の奴隷船を掠奪し、「アン女王の復讐号」と名付けたその船で海賊行為を繰り返しました。この有名な海賊は、奇抜な風貌と奇行でもよく知られていて、その後の海賊のイメージは彼の伝説の影響を受けています。「宝島」のロング・ジョン・シルバー(Long John Silver)やパイレーツ・オブ・カリビアンのジャック・スパロウのイメージもこの当時の海賊をイメージしたものです。海賊の掟では、捕獲王と称されたバーソロミュー・ロバーツの10の掟が有名です。この中に無人島置き去りの刑もあります。実際に無人島に置き去りにされ、4年間を一人で過したアレキサンダー・セルカーク(Alexander Selkirk)は「ロビンソン・クルーソー」のモデルにもなりました。その他有名な海賊としては、フランシス・ドレイク、ウィリアム・キッド(キャプテン・キッド)、ウッド・ロジャース、ジョン・ホーキンス、エドワード・ロウ、ジョージ・ラウザ、サミュエル・ベラミー、ジャン・ラフィット、赤髭バルバロッサ、グレイス・オマリ…などがおり、彼ら海賊の伝説は、敵対する国への英雄的行為として、イギリスでは一部誇張されながら、娯楽として語り継がれていました。

「宝島」は、こうしたイギリスの少年少女にとっては馴染み深い物語の集大成ともいえる小説です。そしてまた、主人公の少年ジム・ホーキンズ(海賊ジョン・ホーキンスの名前に似ています。)の精神的成長の物語です。喩えるならば、人生の夢を求めて、困難に立ち向かう勇気と知恵、そして仲間の支えと友情の物語で、スティーヴンソンはそれを胸躍る冒険物語として書きました。

この物語の優れている点は、第一に、「宝島」の財宝を見つけるという大きな目標とミステリーを挙げることにより、読者の興味を失わないことで、第二に、物語を進めるうえで、海賊たちの奇妙な習慣や特徴ある人物を配していることです。この先を読みたくなる面白さは、スティーヴンソンの優れたストーリー・テラーとしての才能によるものです。

「宝島」の映画化・TVドラマは、1918年の フォックス映画以降数多くあります。1950年のディズニー映画は、名優ロバートニュートン(Robert Newton)がロング・ジョン・シルバーを演じて人気も高く、続編の「ロング・ジョン・シルバー」も製作されました。1972年版はオーソン・ウェルズ(Orson Welles)がロング・ジョン・シルバーを演じています。オーソン・ウェルズはラジオ・ドラマ「宝島」にも出演しています。これもオーソン・ウェルズならではの良さがありました。

原作、邦訳で著作権が消滅しているテキストをインターネットで読むことができますので、未読の方は是非原作に楽しさを味わってみてください。

スポンサーリンク

「宝島」の地図

宝島の地図」(Treasure Island Map)

宝島:Wikipedia
Treasure Island:Wikipedia
宝島・佐々木直次郎訳:青空文庫
Treasure Island Text

コメントをどうぞ