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オズの魔法使:虹の彼方に(Somewhere over the rainbow)[歌詞和訳と解釈]

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Judy Garland - Over The Rainbow (Subtitiles)

虹の彼方に (Somewhere over the rainbow)

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【Somewhere over the rainbow 歌詞】

Somewhere over the rainbow
Way up high
There’s a land that I heard of
Once in a lullaby.
Somewhere over the rainbow
Skies are blue,
And the dreams that you dare to dream
Really do come true.

Someday I’ll wish upon a star
And wake up where the clouds are far
Behind me.
Where troubles melt like lemon drops
Away above the chimney tops
That’s where you’ll find me.

Somewhere over the rainbow
Bluebirds fly.
Birds fly over the rainbow.
Why then, oh why can’t I?

If happy little bluebirds fly
Beyond the rainbow
Why, oh why can’t I?

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【虹の彼方に 歌詞和訳】

どこか虹を超えたところ
ずっと上のほう
そんなところがあるって
いつか子守唄で聞いたわ
どこか虹を超えたところ
空は青く
そしてあなたが夢見る、そんな夢見る夢だって
本当に実現する

いつか私は星に願いたい、
そして雲たちが遠くにあるところで目覚めるの
わたしを超えて
いろんな問題もレモンの滴のように溶けてしまういるところ
煙突の上よりずっと上のほう
そこならあなたは私を見つけるでしょう

どこか虹を超えたところ
青い鳥たちは飛ぶ
鳥たちは虹を超えて飛ぶ
なぜなの、ああなぜ私にはできないの?

もし幸せの小さな青い鳥たちが飛ぶならば
虹を超えて
なぜ、ああなぜ私にはできないの?

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「オズの魔法使」と{虹の彼方に}解説

「オズの魔法使」(The Wizard of Oz 1939)のジュディ・ガーランド扮するドロシーが歌う「虹の彼方に」は世界中の人が愛する名シーンです。「虹の彼方に」はたくさんの歌手がカバーしています。たしかにカバーした多くの歌手たち歌唱もとても愛らしいのですが、ジュディ・ガーランドを超えることはありません。なぜなら、アメリカ人にとっては第二次世界大戦中の不安な時代の励ましの歌となり、日本などの戦争で荒廃した国の人にとっては、戦後の復興に向けた未来への希望の歌となった大きな歴史があるのですから。この歌は誰が歌ってもよいのですが、ジュディ・ガーランドとその時代を生きた人たち自分自身の歌なのです。ジュディ・ガーランドの「虹の彼方に」には、そんな人々の想いが背景にありますが、そうした歴史を知る年代の人々も少なくなってきました。

そこでこの映画を観てみると、「オズの魔法使」は単なるおとぎ話の冒険談ではなく、主人公であるドロシーの心の旅の物語であるということが分かります。
カンザスの田舎暮らしは退屈で、辺りの人たちといえば何かが欠けている人ばかり、そこでドロシーはもっといいところ、虹の彼方にある自身が理想とする場所を夢見ていたのです。映画のはじめのモノクロはつまらない現実を象徴しています。

そうしてドロシーの心にある「オズ」の旅は始まりました。そこで彼女があった人物たち、考えのないカカシ、心がないブリキ、勇気のないライオンと出会い彼らに欠けているものを見つける手伝いをすることになります。「オズ」の国での多くの経験を通してドロシーと仲間たちも少しずつ変わっていきます。そして自分たちに欠けているものを得てドロシーの心「オズ」の旅は終わります。…帰ったカンザスもいままでと違います。それはドロシーが思っていたつまらないところではなく、多彩な人たちが住む愛すべきところに変わっていたのです。彼女はいろいろな比喩に満ちた夢の国「オズ」の旅を通して現実を見ることができるように成長したのです。ここからは(多くの児童文学がそうであるように)多分に教訓めいてきますが、人の成長とは自分自身と周囲を正しく認識する能力を身につけることだと分かります。それは「オズ」の旅のおわりです。
よく見れば周りの人たちも優しくて良い人たち、いじわるそうな人もそれほどじゃない。ドロシーは思います。こんなカンザスの田舎町だっておとぎの国とは言えないものの結構楽しいところ、それに優しい人たちと暮らす私の故郷だからと。虹の彼方にある虹の橋が終わるところはこの場所にあったということです。そして最後の魔法の呪文「There’s No Place Like Home:家(故郷)のような場所は何処にもない」を唱えてドロシーの心の旅は終わります。

一方、現実のこの頃のアメリカは様々な問題を抱えていました。社会秩序や道徳的価値観の崩壊、政治混乱や大恐慌による不景気などです。社会学者たちは「オズの魔法使」の物語に現実社会の比喩と採られたりしました。こうした事柄は本記事の本題ではないので詳しくはwikipediaなどで調べてください。

そこで結論、「オズの魔法使」「虹の彼方に」とジュディ・ガーランドはこの時代のアメリカと国を写し出した鏡だったということです。「虹の彼方に」を聴くあなたの耳、少しかわりました?

The Wizard of Oz | 75th Anniversary "No Place Like Home" | Warner Bros. Entertainment

The Wizard of Oz – “There’s No Place Like Home” Magic Spell

コメントをどうぞ

  1. たくまま より:

    台風15号の被害についてのツイートのなかに、雨上がりの虹をアップしたものをいくつか見ました。
    そこから、「虹の彼方に」を連想してこの記事にたどり着きました。
    素敵な記事をありがとうございます

  2. 合唱団でこの歌を歌うことになり、訳詞を探していました。日本語としてはこなれていないと思いますが、歌の時代背景などが分かって参考になりました。

  3. ウーノ より:

    南フランスに住んでいた頃、映画を観ながらよく口ずさんでいました。
    私にとって、この曲は幸せの象徴のような曲です。
    久しぶりに聞くと、7年も前の薄れていた記憶が色を成して蘇りました。
    歌詞と日本語訳を載せてくださった方、ありがとう。