私の彼氏 [歌詞和訳・加筆修正版]:The Man I Love – ジョージ・ガーシュウィン:George Gershwin

Sam Lanin’s Orch. plays The Man I Love, 1927
「The Man I Love」は、第二次世界大戦の頃は、「he’ll be big and strong」(大きくて強い男)という歌詞もあって、徴兵のイメージ・ソングのような使われ方もされましたが、歌詞の内容は若い女性が憧れの男性を夢見るものです。特に「Maybe I shall meet him Sunday, Maybe Monday — maybe not; Still I’m sure to meet him one day–Maybe Tuesday Will be my good news day. 」の歌詞は、愛する男性に巡り会う機会を待つ期待と不安に揺れる気持ちが軽いユーモアと共によく表現されていて、とてもチャーミングです。
The Man I Love
作詞/アイラ・ガーシュウィン Ira Gershwin 作曲/ジョージ・ガーシュウィン George Gershwin
When the mellow moon begins to beam,
Ev’ry night I dream a little dream;
And of course Prince Charming is the theme:
The he
For me.
Although I realize as well as you
It is seldom that a dream comes true,
To me it’s clear
That he’ll appear.
Some day he’ll come along,
The man I love;
And he’ll be big and strong,
The man I love;
And when he comes my way,
I’ll do my best to make him stay.
He’ll look at me and smile–
I’ll understand;
And in a little while
He’ll take my hand;
And though it seems absurd,
I know we both won’t say a word.
Maybe I shall meet him Sunday,
Maybe Monday — maybe not;
Still I’m sure to meet him one day–
Maybe Tuesday
Will be my good news day.
He’ll build a little home
Just meant for two;
From which I’ll never roam–
Who would? Would you?
And so all else above,
I’m waiting for
The man I love!
【私の彼氏:The Man I Love:意訳】
作詞/アイラ・ガーシュウィン Ira Gershwin 作曲/ジョージ・ガーシュウィン George Gershwin
まろやかな月が輝き始めると
毎晩、私は小さな夢を夢見るの
そうよもちろん、チャーミングなプリンスがテーマ
彼
私のために…
私は同じように気づいているけど
夢が叶うことはめったにないから
でも私にとってははっきりしたことなの
彼が現れることは
いつか彼がやってくるのよ
私が愛する男
そして彼は大きくて強くなってくでしょう
私が愛する男
そしたら、彼が私のところに来たとき
私は彼がいてくれるようにベストを尽くすわ
彼は私を見て微笑むかしら?
私は分かるのよ
そしてしばらくすると
彼は私の手を取るでしょう
そうね、それはばかげているようにだけど…
私分かるの、私たち二人が一言も言わないこと
多分私が彼に会うのは日曜日
多分月曜日?多分そうじゃないかも…
でも私はいつか彼に会うと確信しるの?
多分火曜日ね
私には良いニュースの日になるだろうな
彼は小さな家を建てるのよ
それってふたりのためなの
そこからは私は決して歩き回ることないでしょ?
誰がそうするかしら?あなたならどうする?
そして、何をおいても
私は見ていたいの
私が愛する男を!
「The Man I Love」は、ガーシュウィン兄弟が1924年のミュージカル「レディ・ビー・グッド」のために書いた曲です。その後ミュージカルでは使われませんでしたが、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)やエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)、レナ・ホーン(Lena Horne)、アニタ・オーデイ(Anita O’Day)、ペギー・リー(Peggy Lee)、コールマン・ホーキンス(Coleman Hawkins)等がカバーしてジャズのスタンダードになりました。
サム・ラニン・オーケストラ(Sam Lanin’s Orch)は1920年代ニューヨークのバンドです。アーヴィング・カウフマン(Irving Kaufman)は多くのレーベルで活躍した20世紀初頭のシンガー、レコーディング・アーティストです。1920年代の寄席の雰囲気も伝わります。
ビリー・ホリデイとエラ・フィッツジェラルドは、この二人の偉大な歌手については言うまでもないのですが、この歌でも二人の個性と魅力が伝わると思います。
レナ・ホーンとアニタ・オーデイ、ペギー・リーの歌唱、コールマン・ホーキンスの演奏も捨てがたいのですが、スペースが多くなるので割愛しました。ペギー・リーの歌はアルフレッド・ヒッチコック監督の映画「汚名」(Notorious:1946)で使われていました。これもこの歌を有名にした要因のひとつです。ペギー・リーやアニタ・オーデイについてはまた別の機会に紹介したいと思います。
そして、ケイト・ブッシュ(Kate Bush)とラリー・アドラー(Larry Adler:1914–2001) の1994年の「The Glory of Gershwin」でのカバーです。ケイト・ブッシュはビリー・ホリデイのファンということなので、この選曲は納得できます。自作曲以外でのジャズのスタンダード・ナンバーですが、とても雰囲気のある歌唱です。
Billie Holiday – The Man I Love
Ella Fitzgerald – The Man I love
Kate Bush & Larry Adler – The Man I Love
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