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スプーンフル [歌詞和訳]- ハウリン・ウルフ:Howlin’ Wolf – Spoonful

定番の名曲
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Howlin’ Wolf – Spoonful (Songwriters: Willie Dixon)

Howlin Wolf - Spoonful
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Howlin’ Wolf – Spoonful 歌詞

It could fill spoon full of diamond
Could fill spoon full of gold
Just a little spoon of your precious love
Satisfy my soul

Men lies about them
Some of them cries about them
Some of them dies about them
Everything a fightin’ about the spoonful
That spoon, that spoon, that spoonful

It could fill spoon full of coffee
Could fill spoon full of tea
But a little spoon of your precious love
Could had enough for me

Men lies about them
Some of them dies about them
Some of them cries about them
But everything fightin’ about the spoonful
That spoon, that spoon, that

Fightin’ ’bout a spoonful
Fightin’ ’bout a spoonful

It could fill spoon full of water
Save you from the desert sand
But one spoon of little forty-five
Save you from another man

Men lies about them
Some of them cries about them
Some of them dies about them
Everybody fightin’ about the spoonful
That spoon, that spoon, that

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スプーンフル [歌詞和訳]

ダイヤモンドのスプーンひと盛りで満たすことができる
黄金のスプーンひと盛りで満たすことができる
あんたの貴重な愛のスプーンひと盛りだけで
俺の魂は満たされる

男たちはそのことで嘘をつき
何人かはそのことで泣き
何人かはそのことで死んでしまう
すべてはスプーンひと盛りのことで争ってるのさ
そのスプーン、そのスプーン、そのスプーンひと盛りで

コーヒーのスプーンひと盛りで満たすことができる
お茶のスプーンひと盛りで満たすことができる
しかし、あんたの貴重な愛の小さなスプーンで、
俺にとっては充分なのかい?

(コーラス)

やつらは水のスプーンひと盛りで満たすことができる
荒地の砂からやつらを救うのさ
でも、小さなフォーティ・ファイブ(45)のひとつのスプーンが、
別の男からあんたを救うんだ

(コーラス

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ハウリン・ウルフ(Howlin’ Wolf:1910-1976)の「スプーンフル」(Spoonful:1960)解説

マディ・ウォーターズの「フーチー・クーチー・マン」などを書いたウィリー・ディクスン(Willie Dixon:1915-1992)の曲で、「デルタブルースの創始者」と言われたチャーリー・パットン(Charley Patton:1891-1934)の「スプーンフル・ブルース」(Spoonful Blues)をベースにしています。歌詞の内容も「スプーンフル・ブルース」の人殺しをするかコケイン(またはヘロイン)のために投獄されるか、といった悲惨な内容を要約、洗練させています。この歌詞を要約することで、元の「スプーンフル・ブルース」を知らない者にとっては解かりづらくなったこともありますが、意味深長になった分、内容的には深みがあるものとなりました。

歌詞は意訳を読んでください。「俺」「あんた」としたのは曲の雰囲気に合わせたもので、その他はなるべく平易な言葉にしてあります。それでもこの簡単な歌詞は解かりづらいと思いますので、個人的な解釈を少し書いておきます。
先ず始めに、ダイヤモンドや黄金のスプーンひと盛り、それと同等の「貴重な愛」(precious love)であれば満足できるとしたうえで、人はこのために嘘をつき、不安になり、死ぬことさえあり、争いの元となる。けれどもそれは「スプーンひと盛り」のためだと歌います。
次に、コーヒーやお茶のスプーンひと盛り、ここではダイヤモンドや黄金に比較して取るに足らないほどの「貴重な愛」、precious loveが「ほんのお情け」といった皮肉が感じられます。ここでは自分は軽視された存在であることを歌っています。
そして最後が、砂漠・荒野で乾いた命を救う水のスプーンひと盛り、それは命を繋ぐために他に選択ができない状況ですが、そんな状況で「little forty-five」、「スプーンフル・ブルース」からすると45口径の拳銃のことだと思いますが、その「one spoon」(弾丸ひとつのスラング?)で他の男から救われると歌っています。
また歌詞の全体に亘って「スプーンフル」「貴重な愛」にコカイン・ヘロインや性的なスラングの意味合いがダブル・イメージされます。

今では遠い昔のことだと思いますが、デルタ・ブルースに歌われた救いのない世界観が感じられます。
この暗い人生、世界観から歌われたブルースに影響を受けて自分たちの音楽に取り入れようとしたのが、ザ・ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) やクリーム(Cream:1966-1968)などの1960年代のイギリスのロック・グループです。ローリング・ストーンズはマディ・ウォータースの曲からグループ名を採り、クリームは「スプーンフル」や「クロス・ロード」などのブルースをロックでカバーしました。テン・イヤーズ・アフター(Ten Years After)もデビュー・アルバムで「スプーンフル」をカバーしていました。しかしそれらのカバーもハウリン・ウルフの文字通り吼えるような、あるいは魂から迸るような歌唱を超えられなかったのは、幼い頃から身に付いた歌や言葉、その背景にあった社会、歴史の大きな壁によってだと思います。

Etta James, Harvey Fuqua - Spoonful

エタ・ジェームス:Etta James and Harvey Fuqua – Spoonful

エタ・ジェームスが歌うとヘロインを連想してしまいます。

ハウリン・ウルフ:Wikipedia
ウィリー・ディクスン:Wikipedia
Spoonful:Wikipedia
M1911:Wikipedia

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