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「セイリング」ロッド・スチュアート:Rod Stewart – Sailing

ロック
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Rod Stewart - Sailing (Official Video)

Rod Stewart – “Sailing” (Official Music Video)

ロッド・スチュワート

ロッド・スチュワート(ロデリック・デーヴィッド・スチュワート:Roderick David Stewart:1945-)は、下済み時代を経てジェフ・ベック・グループに参加、その後、後のフェイセズ(Faces) と改名した(スモール・フェイセズ=小さな顔役)でリードボーカリストとなり、「リーズン・トゥ・ビリーヴ/マギー・メイ」の全英1位となる大ヒットでロック・シンガーとしての人気を確立しました。フェイセズの活動と平行してソロ活動を行っていたロッド・スチュワートはロックに限らず広い分野の音楽性を身に着けました。その成果として生み出したのが、フェイセズ解散後の1975年に発表されたアルバム「アトランティック・クロッシング」(Atlantic Crossing)です。ロッド・スチュワートはこのアルバムの大ヒットでインターナショナルなシンガーとしての地位を獲得しました。

「セイリング」

アルバム「アトランティック・クロッシング」にはロッド・スチュワートの代表曲のひとつとなった「セイリング」(Sailing:1975)が収録されています。「セイリング」はイギリスのフォーク系デュオ「サザーランド・ブラザーズ・バンド」(Sutherland Brothers Band:Sutherland Brothers – Gavin and Iain Sutherland)による1972年の曲のカバーです。
人生を航海に喩えることがよくありますが、この歌詞の内容は、荒れ狂う遥かな海を親しい人(恋人・家族)の元へ航海して行く船乗りが、暗い夜に海難に遭い、死に行くときに親しい人にその想いを送るというものです。但しその中には「to be free」自由になるという言葉が印象的に使われています。これは何ヶ月も船の上で暮らす船乗りが陸に下りて開放されるという一般的な意味と、この世の苦しみから開放される、死はこの世の苦難からの開放という、古今東西に共通する悲痛な宗教的な意味を含んでいます。死によって自由になった魂は愛する人の元へ行けるという望みを託した印象的な言葉です。
イギリスでこの歌がヒットしたのはやはりロッド・スチュアートの歌唱によるものですが、続いてアメリカでこの歌がヒットした要因は、移民の国であるアメリカ人の出身国、大西洋を越えた(Atlantic Crossing)ヨーロッパへの郷愁、そしてまたベトナム戦争に出征し、戦火に倒れた人たちに重なる想いを代弁するものとして、アメリカ人の心に郷愁の歌、追悼の歌として受け入れられたからだと思います。

アルバム「アトランティック・クロッシング」で忘れられないカバーに、ニール・ヤングとも組んでいた「クレージー・ホース」(Crazy Horse)のリーダー、ダニー・ホイッテン(Danny Whitten)が書いた「I Don’t Want to Talk About It」があります。オリジナルも素朴なフォーク系の歌として好きなのですが、ロッド・スチュアートの歌唱は彼のハスキーな声と相まって格別に叙情感を増していました。歌詞の意味は「そのことは話したくないの、あなたがどんなに私を傷つけ付けたか。もし私が少しの間ここに居たなら、私の心を聴いてほしいの」というちょっと切ないものです。

ロッド・スチュワートはその初期からの音楽活動を通して、ロック世代にスタンダードな名曲の良さを伝え、スタンダード曲にロックなテイストを加えることで原曲に新たな息吹を吹き込んだヴォーカリストです。多くの偉大な歌手が歌ったスタンダード曲に挑むことはそんなに簡単なことではありません。一時はロックから商業音楽へ転向したと非難されたこともありましたが、そんな狭い考え方ではなくて、ロック世代から過去の偉大なヴォーカリストに比肩するスタンダードなヴォーカリストとなったのがロッド・スチュワートです。

Sutherland Brothers Band -Sailing [Original Version - Stereo] (1972)

Sutherland Brothers Band -Sailing [Original Version – Stereo] (1972)

I am sailing, I am sailing,
home again ‘cross the sea.
I am sailing, stormy waters,
to be near you, to be free.

I am flying, I am flying,
like a bird ‘cross the sky.
I am flying, passing high clouds,
to be with you, to be free.

Can you hear me, can you hear me
thro’ the dark night, far away,
I am dying, forever crying,
to be with you, who can say.

Can you hear me, can you hear me,
thro’ the dark night far away.
I am dying, forever crying,
to be with you, who can say.

We are sailing, we are sailing,
home again ‘cross the sea.
We are sailing stormy waters,
to be near you, to be free.

Oh Lord, to be near you, to be free.
Oh Lord, to be near you, to be free,
Oh Lord.

I Don't Want To Talk About It (from One Night Only! Rod Stewart Live at Royal Albert Hall)

I Don’t Want To Talk About It (from One Night Only! Rod Stewart Live at Royal Albert Hall)

I can tell by your eyes that you’ve probably been crying forever
And the stars in the sky don’t mean nothing to you they’re a mirror

I don’t want to talk about it
How you broke my heart
If I stay here just a little bit longer
won’t you listen to my heart
Oh oh my heart

If I stand alone will the shadows hide the colour of my heart
black for the night, blue for tears fears the stars in the skydon’t mean nothing to you they’re a mirror

I don’t want to talk about it
How you broke my heart
If I stay here just a little bit longer
won’t you listen to my heart
Oh oh my heart

ロッド・スチュワート:Wikipedia

コメントをどうぞ

  1. はじめまして,らいだぽよといいます。
    いいですねぇ,ロッド・スチュワート。
    上記の動画では
    「Rod Stewart & Amy Belle- I Dont Want To Talk About It スコットランド出身のアイミー・ベルとのデュエット」が好きです。
    切ない曲ですよねぇ
    今日初めてこのブログに来ましたが,結構私と興味が似ていて気になってしまいました。
    地下鉄のザジが見れるとは…。
    また,見に来ます。

  2. magictrain より:

    らいだぽよ さん

    コメントありがとうございます。
    さりげなく入れたつもりですが、アイミー・ベルとのデュエットは掲載した動画の中では一番のお気に入りです。これに気付いていただけただけで嬉しくなりました。このコラボは曲に合っていて良いですよね。
    趣味とその日の気分で書いているブログですが、是非また来てください。
    ご感想もお待ちしています。