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ドゥー・ワップって何?:Doo Wop

定番の名曲
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Hoagy Carmichael – Heart And Soul

Till Then (1958 Version)

The Mills Brothers – Till Then

The Mills Brothers - Paper Doll

The Mills Brothers – Paper Doll

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ドゥー・ワップ(Doo-Wop)は1950年代半ばから60年代半ばまでのおよそ10年間に流行したR&B(リズム・アンド・ブルース)のコーラス・グループによる音楽スタイルです。

起源としては1930年代のスローテンポなビッグバンド・ジャズやゴスペル・ミュージック、ハーモニーを重視したコーラス・グループの影響があります。また1940年代後半の黒人(アフリカ系アメリカ人)による音楽の隆盛もあります。第二次世界大戦に従軍し、アメリカのために戦った黒人たちであっても、終戦後にあってもその社会的地位を獲得できず、その欲求は後の公民権運動につながりますが、音楽の世界ではそれに先駆けて市民権を獲得しました。そしてそれが1950年代になってR&Bやロックン・ロールとして広く親しまれるようになりました。ドゥー・ワップの先駆的な作品にはHoagy Carmichaelに1938年のヒット「Heart And Sou」や1940年代のThe Mills Brothersの「Till Then」や「Paper Doll」などが挙げられます。

そもそも楽器を必要としないコーラス・グループのスタイルはまだ貧しかった黒人たちが手ごろに取り組めるものであり、また鼻歌の延長のように湧き上がる自身の音楽のルーツを専門作曲家の手を借りずに作り出せたのがドゥー・ワップです。そのため1950年代半ばからの流行に伴って数多くのグループが生まれました。その実力や作られた歌は玉石混合、百花繚乱、取るに足らないものもあれば、名曲といえるものも数多くありました。また、R&Bにドゥー・ワップの要素を取り入れながら洗練発展していったのがモータウン・ミュージックです。モータウンは先駆けた黒人音楽やジャズの要素、ロックン・ロールの要素などを統合しながら、R&Bを完成させていったと思います。

ドゥー・ワップの代表的な歌を集めてみました。

1954 The Crew Cuts – Sh-Boom

1954 The Wrens – Come Back My Love
1956 The Diamonds – Why Do Fools Fall in Love
1957 The Charts – Dance Girl
1959 The Fascinators – Oh Rose Marie
1960 The Passions – Gloria
1961 Barry Mann – Who Put the Bomp
1961 The Belmonts – Tell Me Why
Dion ; The Belmonts : I Wonder Why
1961 The Marcels – Blue Moon

Do You Love Me (Remastered)

1962 The Contours – Do You love Me


The Velvets · Tonight


The Tymes · So Much In Love

ドゥー・ワップを語る上で欠かせないのが、女性コーラス・グループの隆盛です。女性コーラス・グループはポップス創成期から存在し、ボスウェル・シスターズ(Boswell Sisters)やアンドリュース・シスターズ(The Andrew Sisters)などが特に有名ですが、この系列にありながら実はドゥー・ワップの影響が強かったのが黒人女性コーラス・グループです。従来のクラシック、ジャズ系ではなく、R&B系であったことが大きな違いでした。また、この黒人女性コーラス・グループの人気は海を越えたイギリスで受け入れられ、ブリティッシュ・ロックの隆盛にも大きな影響を与えました。モータウン・UKができたのもこの頃でした。イギリスに渡ったアメリカのドゥー・ワップやロックン・ロールが後に60年代のブリティッシュ・インヴェイジョン(60’s The British Invasion)によって次第に衰退していったのは皮肉なことでした。

黒人女性コーラス・グループについては、また別に記事を書きたいと思いますが、イギリスでもヒットした2曲を聴いてください。特に1965年のMartha & the Vandellasの「Heatwave」は、ザ・フー(The Who)やザ・ジャム「The Jam」などのビート・ロック・グループにもカバーされ今でも変らぬ人気があります。これらの歌もドゥー・ワップのスタイルを踏襲して発展したものであることが分るでしょうか?


1963 The Crystals – The Wah Watusi

Da Doo Ron Ron (Remastered)

1963 The Crystals – Da Doo Ron Ron

今日は、ラジオのスイッチを捻れば(そう、スイッチは捻るものでした)素敵な音楽が流れてきた暑い夏の時代のお話でした。

Doo-wop:Wikipedia
ドゥーワップ:Wikipedia

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