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十二人の怒れる男:12 Angry Men

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12 ANGRY MEN (1957) | Official Trailer | MGM

12 ANGRY MEN (1957) | Official Trailer | MGM

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十二人の怒れる男:12 Angry Men:一回は観ておきたい法廷ドラマの傑作映画

「十二人の怒れる男」(12 Angry Men)は、アメリカの電機メーカーであったウェスティングハウス・エレクトリック提供のテレビ映画「Westinghouse Studio One」で1954年に放映された脚本家レジナルド・ローズ(Reginald Rose:1920-2002)の作品で、1957年にシドニー・ルメット(Sidney Lumet:1924-2011)が監督、ヘンリー・フォンダ(Henry Fonda:1905-1982)主演で映画化されました。シドニー・ルメットはこの作品で監督としての地位を獲得し、製作者でもあるレジナルド・ローズ、ヘンリー・フォンダの名声をより高めることとなりました。この年のアカデミー賞は「戦場にかける橋」(The Bridge on The River Kwai)が多くの賞を獲得し、脚本賞はヴィンセント・ミネリ監督作品の軽喜劇「バラの肌着」(Designing Woman)のジョージ・ウェルズ(George Wells)が選ばれましたが、完成度や社会的な影響力において、この「十二人の怒れる男」が勝っていたのは明らかでした。

レジナルド・ローズの脚本は、陪審員の事実認定能力、陪審員の感情や偏見などの陪審制における問題点を取り入れながら、人が他人を裁くことや真実の究明の難しさをスリリングなストーリーの展開で描いています。この脚本の見事なところは、1番から12番のナンバーで呼ばれる匿名の12人の陪審員たちは、観客一人一人、異なるタイプの人間を映す鏡であり、誰もがこの群像劇へ感情移入することにあります。裁判所の外で鬱陶しい雨が降り、暑苦しい室内で繰り広げられるディスカッションを通して、見過ごされていた事象の発見や検証を経て真実が明らかとなり、少年の無実が判明し、「正義の達成」という自分たちに与えられた義務を成し遂げたとき、陪審員たちは人間的にもひとつ高いレベルに達します。ラスト・シーンの雨が止んだ屋外はこれを象徴しています。ストーリーを疑似体験することで得る「正義であること」の清々しさは、観客にとっても貴重な体験となる素晴らしい脚本です。

12 Angry Men (1957) Subtitle Indonesia (Part 1/11)

12 Angry Men (1957)

十二人の怒れる男:Wikipedia
レジナルド・ローズ:Wikipedia
シドニー・ルメット:Wikipedia
ヘンリー・フォンダ:Wikipedia

コメントをどうぞ

  1. kazzd18ge より:

    かなり若かりし頃に観た忘れ得ない名作です、一見単純な事件がどんどん真実が解明されていく展開は感動ものでした、雨が降りだし、あ~今晩のナイターは中止だ!っと最初から、早く帰りたがった男のキャラも懐かしく思い出します、今日、日本の裁判員制度もこうあって欲しいと願うばかりです。

  2. magictrain より:

    kazzd18gさん、コメントありがとうございます。

    クラシック映画ですが、戦後の冤罪事件の発生や警察による証言の強要や証拠の偽造などの問題を考えると決して古くならない名作だと思います。裁判員に選ばれた方には是非観て頂きたいものです。
    映画としては、脚本家レジナルド・ローズのスリリングな展開の脚本は映画史上に残る傑作でした。
    是非またコメントをお寄せください。お待ちしております。