「春の祭典」ストラヴィンスキー:Igor Stravinsky – Le Sacre du Printemps (“The Rite of Spring”)

Stravinsky Le Sacre Du Printemps Berliner Philharmoniker Herbert Von Karajan 1977
まずは原曲。
イゴール・ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky)のバレエ音楽「春の祭典:1913」です。原題はフランス語「Le Sacre du Printemps」(春の儀式)で、日本語の祭典から連想する祭りや祝いのイメージとは異なり、ロシアの原始宗教の世界での部族の対立、大地への信仰、祖先崇拝とその生贄がテーマになっています。
ストラヴィンスキーの音楽は複雑で不協和音に満ちており、それまでのクラシック音楽に革新的な影響を与えました。パブロ・ピカソ(Pablo Picasso:1881-1973)やコンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brâncuşi:1876-1957)がそうであったように、20世紀の初頭の原始的な力強さに満ちた芸術運動の影響によるインスピレーションもあったと思います。そしてストラビンスキーも同様に既存芸術の破壊が独創的で先駆的な作品を生み出しました。ストラヴィンスキーの「原始主義時代」と言われる作風の時代で、「火の鳥」、「ペトルーシュカ」、そしてこの「春の祭典」が主要な作品として挙げられます。
よく「創造的破壊」という言葉を聞きますが、破壊したままという例が殆どです。ストラヴィンスキーやパブロ・ピカソ、ブランクーシの仕事は「破壊的創造」であり、これは一部の天才にしか成し得なかったものだと思います。
また、「春の祭典」にはもう一人の天才が関わっていました。ロシアのバレエ・ダンサー、振付家、ヴァーツラフ・ニジンスキーです。ニジンスキーの天賦の身体的能力(唐十郎はこした人の天才を特権的肉体と言いましたが)と独創性によって生み出された「春の祭典」の振付は、これも20世紀のバレエに革新的な影響を与えました。ここに掲載したモーリス・ベジャール(Maurice Béjart)とピナ・バウシュ(Pina Bausch)の振付も現代的な躍動感に満ちたものですが、それでも尚、約100年前のニジンスキーの独創性を超えていないと思うのです。
モーリス・ベジャール・バレエ/Un ballet de Maurice Béjart
1959年にブリュッセルで成功をおさめた斬新な振付の「春の祭典」のバージョンです。
振付:ヴァーツラフ・ニジンスキー/Vaslav Nijinsky キーロフバレエ団/Kirov Ballet
20世紀の天才バレエ・ダンサー、振付家ヴァーツラフ・ニジンスキーの振付と演出を継承した、初演と同じニコライ・リョーリフの背景画、原曲のストーリーに忠実なキーロフバレエ団の公演です。
ヴァーツラフ・ニジンスキー:Vaslav Nijinsky
ニジンスキーって競争馬の名前?と言う人のために。20世紀のバレエはこの人から始まったという革新的なバレエ・ダンサー、振付家です。(詳しくはWikipediaを参照してください。)
これは参考↓
Fantasia 1940 – The Rite of Spring
ディズニー・アニメーション「ファンタジア」の「春の祭典」です。原曲と異なる構成とストーリーなので、これは参考。
イーゴリ・ストラヴィンスキー:Wikipedia
春の祭典:Wikipedia
ヴァーツラフ・ニジンスキー:Wikipedia
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