PR

「シェヘラザード」ニコライ・リムスキー=コルサコフ:Rimsky-Korsakov – Scheherazade

クラシック音楽
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

The Kirov Ballet Celebrates Nijinsky(2002)

The Kirov Ballet Celebrates Nijinsky(2002)

キーウ・バレエのパリ・シャトレ座での2002年の公演。ニジンスキーのレパートリーだったフォーキン振り付け作品を、パリ・シャトレ座での2002年に上演しました。

I. 「海とシンドバッドの船」The Sea and Sinbads Ship (1/6)
II. 「カランダール王子の物語」The Story of the Kalender Prince (2/6)
II. 「カランダール王子の物語」The Story of the Kalender Prince (3/6)
III. 「若い王子と王女」The Young Prince and the Young Princess (4/6)
Ⅳ. 「バグダッドの祭り。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲」Festival at Baghdad-The Sea (5/6)
Ⅳ. 「バグダッドの祭り。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲」Festival at Baghdad-The Sea (6/6)(End)


Rimsky-Korsakov: Scheherazade / Gergiev · Vienna Philharmonic · Salzburg Festival 2005

スポンサーリンク

「シェヘラザード」(Scheherazade:1888)は、ロシア五人組(Могучая кучка)の作曲家ニコライ・リムスキー=コルサコフ(Николай Андреевич Римский-Корсаков:1844-1908)が「アラビアンナイト・千夜一夜物語」(The Book of One Thousand and One Nights)に取材した交響組曲です。

「アラビアンナイト・千夜一夜物語」は、インドと中国を支配するサーサーン朝が栄えていた頃、サマルカンドを治めるシャフリヤール王サルタンに、大臣の娘シェヘラザードが夜毎に語った古今東西の物語です。シャフリヤール王サルタンは、妃の不貞により人間不信になって、ついに妃の首をはね、そのからは一夜限りの妻に処女を迎えては、翌朝には首をはねることを繰り返すようになりました。そんな気持ちが荒んだ王に、シェヘラザードは自ら赴き、毎夜毎夜、千と一夜にわたり珍しい話、不思議な話を朝まで語ります。シャフリヤール王サルタンはシェヘラザードの興味が尽きない物語の続きを聞きたくて処刑の期日を一日一日と延期し、シェヘラザードへの愛と共に、心が次第に癒されてゆきます。
「アラビアンナイト・千夜一夜物語」は、フランスの太陽王ルイ十四世の時代に、東洋学者アントワーヌ・ガラン(Antoine Galland)が抄訳本を出版し、宮廷や一般大衆にも広く愛されました。それが後にヨーロッパ中に拡大しました。
リムスキー=コルサコフの「シェヘラザード」は、このヨーロッパ、ロシアで人気がある物語を4つの楽曲で描いた組曲です。民族主義的な芸術音楽を追求した国民楽派らしく、親しみ易くロマンチックなものであり、エキゾチックな雰囲気がとても魅力的なリムスキー=コルサコフの代表作のひとつです。

「海とシンドバッドの船」(The Sea and Sinbads Ship)の導入部では、先ず重厚なシャフリヤール王サルタンのテーマが鳴り響き、その後でシェヘラザードの優しく穏やかなテーマが続きます。そして語られるのが有名な船乗りシンドバッドの海を巡る数奇な物語です。ここでリムスキー=コルサコフは、海の安らぎと壮大さを表現しています。
「カランダール王子の物語」(The Story of the Kalender Prince)は、16歳の春に苦行僧となり、働いては貧しい人たちに施していたカランダール王子の物語で、彼は若くして亡くなります。悲しげなメロディーは、カランダール王子の死を悲しみ、神に許しを乞う両親の気持ちを表現しています。
「若い王子と王女」(The Young Prince and the Young Princess)は、「月の子供達」として知られる若い王子と王女の物語で、優しく美しいメロディーが楽しい楽曲です。
「バグダッドの祭り。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲」(Festival at Baghdad-The Sea)は、シャフリヤール王サルタンの怒りのテーマに続いて、楽しげなバクダッドの祭りの情景が描かれています。シェヘラザードのテーマが穏やかに奏でられた後に、シャフリヤール王サルタンの怒りのテーマは力を弱め、王の怒りが癒されたことを表現しています。

「Kirov-Mariinsky Ballet」版は、リムスキー=コルサコフの「シェヘラザード」をバレエで表現したものです。イメージが分りやすく、楽しく親しみ易いものです。しかし、反面ではバレエの演技に興味がゆき、楽曲から広がるイマジネーションが制約を受けることにもなります。

オランダ出身の指揮者アーサー・アーノルド(Arthur Arnold:1967-)とモスクワ交響楽団(Moscow Symphony)の演奏は、正確かつ華麗な音響により、楽曲の持つ微妙なニュアンスが伝わります。

ニコライ・リムスキー=コルサコフ:Wikipedia
シェヘラザード (リムスキー=コルサコフ):Wikipedia
ヘルベルト・フォン・カラヤン:Wikipedia

コメントをどうぞ