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「戦艦ポチョムキン」セルゲイ・エイゼンシュテイン:Battleship Potemkin 1925

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Battleship Potemkin | Bronenosets Potemkin (1925) Colorized 4K

Battleship Potemkin (Броненосец «Потёмкин»)1925 Sergei Eisenstein Colorized

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「戦艦ポチョムキン」はセルゲイ・エイゼンシュタイン監督の1925年製作の1905年の「戦艦ポチョムキン事件」を題材にしたソヴィエト映画です。

1905年はサンクトペテルブルグの「血の日曜日事件」、「二月革命」「十月革命」のロシア革命の年です。「戦艦ポチョムキン事件」は黒海における戦艦ポチョムキン号の乗組員による反乱で帝政ロシアの弱体化と内部からの崩壊を象徴した事件で、エイゼンシュタインがロシア革命20周年記念の映画制作にあたり、この題材に選んだのはこのためです。
映画は革命記念の趣旨、ソヴィエト共産主義のプロパガンダの意味合いから、ストーリーには史実と異なる映画的演出があります。また映画のテーマの創りこみに不完全さを指摘する人もいますが、これは監視、検閲など、制約の多い環境の中で製作されたためなので、無意味な批判と言えます。しかしこの映画には史実や政治的背景を超えた映画芸術そのものの価値があります。

サイレント映画は映像のみで観客の興味を惹き付けておかねばなりません。そのため多くの映画手法が考え出されました。そのひとつがコラージュの手法です。この映画では「映画史上最も有名な6分間」と言われる「オデッサの階段」シーンに代表されるダイナミックな映像とコラージュ手法によるの演出で、観客に心理的な緊張感をもたらしています。コラージュ手法は情報となる多様なカットを並べることで、映像が平坦でなく、説明的で退屈になることを防ぐ映画的効果があります。この手法は後の映画に大きな影響を与えました。例えばヒッチコックの「サイコ」のシャワーシーンなどで、現在の映画でも多用されています。余談ですが、多くのアマチュアのビデオが退屈なのは映像が平坦であるためで、コラージュ手法を使ってみると効果的です。いわゆるカット割りですが、それをするだけで退屈な作品も一変します。

エイゼンシュタインは共産主義社会の枠の中で、映画の持つ可能性を追求した人で、その成果はロシアの政治体制を超えた遺産であると思います。「戦艦ポチョムキン」は1928年の「十月」、1944年の「イワン雷帝」とともに必見の映画です。

  セルゲイ・エイゼンシュタイン

戦艦ポチョムキンWikipedia
セルゲイ・エイゼンシュテインWikipedia

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