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「ストレンジャー・イン・パラダイス」トニー・ベネット:Stranger in paradise – Tony Bennett

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Stranger In Paradise (from Duets II: The Great Performances)

Tony Bennett – Stranger In Paradise (from Duets II: The Great Performances)

私にとっての「Stranger in paradise」の定番は、やはりトニー・ベネット(Tony Bennett:1926-)です。「霧のサンフランシスコ(I Left My Heart in San Francisco)」とともに、少し濁りがある声と抑揚あるヴォーカルはスタンダードとしての残る名唱です。
フランク・シナトラ(Frank Sinatra)、マット・モンロー(Matt Monro)ジョニー・マティス(Johnny Mathis)、エンゲルベルト・フンパーディンク(Engelbert Humperdinck)など多くの歌手がカバーしていますが一番はトニー・ベネットです。
トニー・ベネットのことを知りたい方はトニー・ベネット:Wikipediaを見てください。

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「ストレンジャー・イン・パラダイス」の来歴

「Stranger in paradise」は、1953年にニューヨークのジーグフェルド劇場(Ziegfeld Theater)で初演されたロバートライト(Robert Wright)とジョージフォレスト(George Forrest)の編纂によるミュージカル「キスメット(Kismet):運命という意味」の劇中で歌われました。原曲はロシアの作曲家ボロディンの歌劇「イーゴリ公:1890年初演」の劇中歌「ポロヴェツ人の踊り」(Polovetsian Dances)で、日本では「ダッタン人の踊り」と訳されています。原曲はポロヴェツ人が祖国に想いを馳せる歌で、そこに描かれているのは楽園のような美しい国です。
「イーゴリ公」の歌劇に描かれる異邦人のイメージと、「ポロヴェツ人の踊り」の楽園のイメージに触発されて「Stranger in paradise」の歌詞ができたのではないかと思います。20世紀の初頭から半ばまで、アメリカのポピュラーミュージックは古今東西の美しいメロディを取り込みました。それ故にこの時代がポピュラーミュージックの黄金時代となりました。「Stranger in paradise」もその傑作のひとつと言えます。
「キスメット(Kismet)」もアラビアンナイト物語を題材にしたミュージカルなので、アメリカ人にとっては、東ヨーロッパのポロヴェツ人もアラビア人もどちらもエキゾチックなイメージということでしょうか。

Borodin: Prince Igor Polovtsian dances - S. Kochanovsky

Polovetsian Dances (ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から「ダッタン人の踊りと合唱」)
「ポロヴェツ人の踊り」(Polovetsian Dances)、ポロヴェツ人は東ヨーロッパ東部の民族で、日本ではあまりなじみがないので、モンゴル民族の「ダッタン人/韃靼人」(タタール人:Tatars)として標記されたのではないかと思われます。ポロヴェツ人の祖国への想いを歌ったもので、そこにあるイメージは民族の魂の地としての楽園(paradise)を連想させます。

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「ストレンジャー・イン・パラダイス」歌詞の個人的な解釈

原曲ののイメージを膨らませて、そこに「愛」への渇望の感情を含ませた歌詞はとても印象的です。
しかしながら、この歌詞は楽園ようなところではなく、本当のパラダイス(天国)を訪れた者の心情を歌っています。ここでの「愛」は、世俗的なもではなく、自らの存在を認めてもらえるという、受動的なものです。昇天して尚、承認欲求捨てなれないのが、人間の性(さが)なのでしょうか。
例えれば、パラダイスに足を踏み入れた者が。美しい風景、美しい物があるだけでは、満たされないのは何故かと煩悶したならば、そこで見つけるものは、自分のアイデンティティ(自我)・(スピリット)を受け入れてもらえる「愛」だということです。そしてこれは、多分に宗教的な歌詞だと思います。
ちょっと、ダンテの「神曲」を想起させまし、文学的過ぎる解釈かもしれませんが、本当に、人が昇天した後に訪れる、神の国「楽園」があるのあればという、疑問と答え意味を含んでいて、それがこの歌詞を魅力的なものにしていると思います。
今回は、和訳はしませんでしたので、貴方なりに歌詞を味わってください。

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Stranger in paradise

Take my hand
I’m a stranger in paradise
All lost in a wonderland
A stranger in paradise
If I stand starry-eyed
That’s the danger in paradise
For mortals who stand beside an angel like you

I saw your face and I ascended
Out of the commonplace into the rare
Somewhere in space I hang suspended
Until I know there’s a chance that you care

Won’t you answer this fervent prayer
Of a stranger in paradise
Don’t send me in dark despair
From all that I hunger for
But open your angel’s arms
To this stranger in paradise
And tell him that he need be
A stranger no more

Stranger in Paradise (song):Wikipedia

トニー・ベネットの「霧のサンフランシスコ」も載せておきます。聴いてみてください。

Tony Bennett - I left my heart in San Francisco

Tony Bennett – 「霧のサンフランシスコ」I left my heart in San Francisco (Union Bank of California promo)

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