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バブーシュカ[歌詞和訳]ケイト・ブッシュ:Babooshka – Kate Bush

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Babooshka – Kate Bush

衣装が入れ替わるパフォーマンスは歌詞の内容を表現しています。

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「バブーシュカ」(Babooshka:歌詞)

She wanted to test her husband.
She knew exactly what to do:
A pseudonym, to fool him.
She couldn’t have made a worse move.

She sent him scented letters,
And he received them with a strange delight.
Just like his wife
But how she was before the tears,
And how she was before the years flew by,
And how she was when she was beautiful.
She signed the letter

“All yours,
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya!
All yours,
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya!”

She wanted to take it further,
So she arranged a place to go,
To see if he
Would fall for her incognito.
And when he laid eyes on her,
He got the feeling they had met before.
Uncanny how she
Reminds him of his little lady,
Capacity to give him all he needs,
Just like his wife before she freezed on him,
Just like his wife when she was beautiful.
He shouted out, “I’m

All yours,
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya!
All yours,
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya!
All yours,
Babooshka, Babooshka, Babooshka-ya-ya!”

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「バブーシュカ」(Babooshka:歌詞和訳)

彼女は夫を試してみたかった。
彼女は何をすべきかよく分かっていた:
偽名を使って、彼を欺いてみよう。
彼女にはそんないけない行いはできなかったのに。

彼女が香りの付いた手紙を彼に送ると、
彼は奇妙な喜びをもってそれを受け取った。
まるで彼の妻と同じよう
しかし、彼女が涙に暮れる前のような、
そうだ、彼女が離れていった前の頃のような、
そうだ、彼女が美しかったときのような。
彼女は手紙に署名していた

「すべてあなたの、
Babooshkaより 、 Babooshka 、 Babooshka – ya-ya!
すべてあなたの、
Babooshkaより 、 Babooshka 、 Babooshka – ya-ya!」

彼女はさらにやってみたかった
そこで彼女は、行き先を設えた
知りたかった、彼が
忍んで彼女の誘いにのるかどうかを。
そして、彼は彼女を目にしたときに、
前にも会ったような気持ちを覚えた。
なんて彼女は不可解なのだ
彼の愛しい女性を見ているようだ、
彼が必要なものを全て捧げてもいい存在、
まるで、彼女は彼に冷めてしまった前の妻のよう、
まるで、彼女は美しかったころの妻のようだ。
彼は叫んだ、「私は

すべてあなたのもの、
Babooshka 、 Babooshka 、 Babooshka – ya-ya!
すべてのあなたもの、
Babooshka 、 Babooshka 、 Babooshka – ya-ya!
すべてのあなたもの、
Babooshka 、 Babooshka 、 Babooshka – ya-ya!」

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ケイト・ブッシュのサード・アルバム「魔物語」(Never for Ever)に収録されている「バブーシュカ」(Babooshka)です。

歌詞の内容は、まるで奇妙な味の短編小説を読むような作品です。そういえば、ロアルド・ダールの作品などを「奇妙な味の小説」と初めて定義したのは作家の吉行淳之介でしたが、「バブーシュカ」の内容に近いのは、江戸川乱歩が春陽堂の「新小説」大正14年9月号に書いた「一人二役」です。この小説は、「知人のTが、自分の妻が他の男と接するときの様子を覗き見したら、どんなに変な気がするかと思い、別人に化けて妻と姦通し、さらに本人である自分をも抹殺して、別人として妻と同棲する。」というもので、乱歩が得意とする最後のオチもあるものです。もちろんケイト・ブッシュが江戸川乱歩のこの短編小説を読んだとは思えません。けれども探偵小説家と同じ発想を以って歌詞を書いた創造力には驚かせられました。

一人二役で陰の存在が表の存在と入れ替わる。元々どちらが本当のものだったのかは分りません。そんな複雑で奇妙な人間心理を短い歌詞の中に凝縮しているのですから文学的でもあります。(もっとも探偵小説や歌詞に文学的価値はないと言う方もいますが…)少なくともケイト・ブッシュの感性が生み出す詩には、文学体験に似た魅力があります。のみならず、視覚、触覚、臭覚さえ感じることもできます。それが、独特のメロディとリズム、歌唱とパフォーマンスで表現されるのを見聴きするのは、とてもスリリングな体験と言えるのではないでしょうか?この詩の言葉を借りれば「received them with a strange delight.」がケイト・ブッシュの歌に感じる私の印象です。
ケイト・ブッシュの歌が時代を経ても色褪せないのは、この模倣できない彼女の個性にあるのだと思います。

ロシア語のバブーシュカは老婆を意味しますが、ここでは1963年のジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件の発生現場の間近でフィルム撮影していたとされる謎の女性「バブーシュカ・レディー」 (The Babushka Lady:ロシアのバブーシュカというスカーフ被りをしていたことから付けられたもの)を連想させます。

コメントをどうぞ

  1. Lucy1205 より:

    歌詞のuploadありがとうございます。訳詞ですが、she couldn’t have made a worse move は「彼女はこれ以上できないくらいの悪だくみをした」、how she was before the years flew by は「まるで年月が流れる前の彼女のような」、capacity to give him all his needsは「彼の欲求を全て満足させる事ができる能力」、just like his wife before she freezed on him は 「彼の前で凍り付き固まってしまう前の妻の姿のように」、というような意味だと思います。