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「サマータイム」ジョージ・ガーシュウィン:[名唱聴き比べ]

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Porgy and Bess: “Summertime”

Porgy & Bess “Summertime”

Summertime is an aria composed by George Gershwin for the 1935 opera Porgy and Bess. The lyrics are by DuBose and Dorothy Heyward, and Ira Gershwin. The song soon became a popular jazz standard.

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サマータイム:Summertime 歌詞

Summertime and the livin is easy
Fish are jumpin and the cotton is high
Oh your daddys rich and your ma is good lookin
So hush little baby, dont you cry
One of these mornings
Youre goin to rise up singing
Then youll spread your wings
And youll take the sky
But till that morning
Theres a nothin can harm you
With daddy and mammy standin

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【サマータイム:Summertime 歌詞和訳】

サマータイムは生きやすい
魚は跳ね踊り綿花は高く育つ、
ああ、あなたのお父さんはお金持ちで、あなたのお母さんは美人でしょ
だからもう、可愛い赤ちゃん、泣かないでね
朝が来るたびに
あなたはすくすく育って歌うのよ
そうすればあなたは翼を拡げて
そうして空へ飛び立つのよ
でもその朝までは
誰も何もあなたに害を与えないよう
お父さんとお母さんが守ってあげるからね

Billie Holiday 1936 Summertime

Billie Holiday – Summertime (1936)

Sam Cooke - Summer time (w/ Lyrics)

Sam Cooke – Summer time (1957)

Summertime Miles Davis Porgy and Bess 1958

Miles Davis “Summertime” (1958)

Ella Fitzgerald - Summertime (1968)

Ella Fitzgerald – Summertime (1968)

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サマータイム(Summertime)は、ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin,1898-1937)の作曲したオペラ「ポーギーとベス」(Porgy and Bess)(1935年)で歌われる子守唄です。

「ポーギーとベス」は、ほとんど黒人のみのキャストによるもので、オペラ作品としては極めて異色です。1920年頃のアメリカ南部のキャットフィッシュ・ロウという黒人居住区の物語です。奴隷制度は終ったものの、未だに黒人の社会進出が阻まれていた時代の、南部の町の閉塞感が物語を通して伝わります。
「サマータイム」の歌は、この三幕のオペラで幕毎に三度歌われますが、少しづつ歌詞が変わり、悲しみを増してゆきます。第一幕で歌われるのが下の歌詞で、「父さんは金持ち、母さんは美人、だから良い子だから泣かないで…そのうちに、おまえは歌いながら飛び立って、翼を広げて、空を捕まえられるよ、だからその朝までは、父さんと母さんが側にいるから、何も害を加えられないよ」という意味です。幸福そうな歌詞ですが、却ってその背景にある現実の厳しさが感じられます。この歌が子守唄という素朴なものだけに、より心に沁みます。それは、登場する黒人たちが世代を超えて、このこのやり場のない悲しみに耐えてゆくことと、未来への希望を失わないことを伝えてゆくというものかもしれません。

ジョージ・ガーシュウィンが「ポーギーとベス」で伝えたかったのは、、当時はまだ打ち破れなかった、黒人を取り囲んでいた社会通念・因習だったと思います。そして、それを言葉ではなく、音楽、極論すればこの「サマータイム」の歌に託したところに、ジョージ・ガーシュウィンの音楽家としての誠実さと偉大さを感じます。
この歌はたくさんの歌手・演奏家がカバーしています。多くは黒人の人たちによるものですが、そのほとんどは悲しみを内に込めた歌唱や演奏です。この歌の主題が時代の閉塞感にあるので、それを伝えるためには、こうしたものになるのが当然で、ジョージ・ガーシュウィンの意図したものと言えます。ジョージ・ガーシュウィンは、ユダヤ系のロシア人の血をひいています。父親はロシアからユダヤ人への迫害を逃れてアメリカへ移民した人で、その理由のない差別に対する抗議が「ポーギーとベス」の主題に込められています。それは他人事ではない、新天地であるアメリカにあってならない差別の因習という想いです。だからこそ黒人の人たちにとっても、「サマータイム」は自分たちの歌ともなりました。

そこで、個人的な感想ですが、ジャニス・ジョップリンの歌唱は、やはり、白人としてのストレートな激しい感情表現で、それを抑えねばならなかった黒人の悲しみや苦しみの感情表現ではないと思っています。とは言え、この歌唱が、ガーシュウィンの原曲が意図したもの飛び越えて、差別の因習に対する問題意識を広く喧伝した歴史的意味はたいへん大きく、それこそがジャニス・ジョップリンの突出した表現者としての才能を示すものだと思います。

Janis Joplin - Summertime & Ball and Chain (live in Frankfurt 1969)

Janis Joplin – Summertime & Ball and Chain (live in Frankfurt 1969)

ジョージ・ガーシュウィンWikipedia
サマータイムWikipedia
Summertime (song)Wikipedia

コメントをどうぞ

  1.  青山要介 より:

    何時聞いても良いね、カラオケでは歌うんだが、こんなにスローな演奏はない,バーボンスのトレイトにチェイサーはビール、静かなバーのBGMに最高だね>