「雨と涙」アフロディテス・チャイルド:RAIN AND TEARS – APHRODITE’S CHILD

人気がある歌,定番の名曲

APHRODITE'S CHILD - Rain and Tears (Live in Greek Garden)

RAIN AND TEARS – APHRODITE’S CHILD

Aphrodite's Child-Rain And Tears(Live)

Aphrodite’s Child-Rain And Tears(スタジオライブ)

雨と涙(RAIN AND TEARS:歌詞・訳詞)

Rain and tears are the same,
but in the sun
you’ve got to play the game.

雨と涙は同じもの。
しかし太陽の下では
あなたはゲームをしなけりゃならない。

When you cry in winter time,
you can pretend
it’s nothing but the rain.

冬の間にあなたが泣くときは
あなたは振舞える
それはただの雨だと

How many times I’ve seen
tears coming from your blue eyes.

私は何度見たことだろう
涙があなたの青い目に溢れるのを。

Rain and tears are the same,
but in the sun
you’ve got to play the game.

雨と涙は同じもの。
しかし太陽の下では
あなたはゲームをしなけりゃならない。

(instrumental break)

Give me an answer of love,
I need an answer of love.

私に愛の答えを教えてください。
私は愛の答えがほしい。

Rain and tears in the sun
but in your heart
you feel the rainbow waves.

太陽の下の雨と涙
でもあなたの心では
あなたは虹の波を感じている。

Rain and tears both I shun,
for in my heart
there’ll never be the sun.

雨と涙どちらも私は嫌い、
私の心には
けして太陽を現さないから。

Rain and tears are the same,
but in the sun
you’ve got to play the game.

雨と涙は同じもの。
しかし太陽の下では
あなたはゲームをしなけりゃならない。

アフロディテス・チャイルドは、1967年にヴァンゲリス(Vangelis)、デミス・ルソス(Demis Roussos)、ルカス・シデラス(Loukas Sideras)、Anargyros “Silver" Koulourisの4人で結成されたギリシャのロックバンドです。当時のギリシャはクーデターによる軍事独裁政権の成立と、その反対勢力への弾圧と抵抗により政情が不安定になっていたため、グループはパリで活動を始めました。そして1968年アルバム「エンド・オブ・ザ・ワールド」 (End of the World)をリリース、シングルカット「雨と涙」(RAIN AND TEARS)がパリを中心にヨーロッパで大ヒットしました。
よく、その余波で日本でもヒットしたと書かれていますが、日本の何処でヒットしたのか分りません。1968年(昭和43年)はグループサウンズと歌謡曲の全盛時代で、この歌を友人に聴かせても殆ど知っている者がいない程度のもの、アルバムジャケットも陳腐なデザインで、レコード会社の力の入れようが想像できます。アフロディテス・チャイルドにしても、解散後のヴァンゲリスとデミス・ルソスの活躍があってようやく知られるようになったと思います。(ヴァンゲリスとデミス・ルソスについては、あらためて紹介するまでもなく、その後の活躍はご存じだと思います。)ヨーロッパで1曲ヒットしたからといって、ギリシャのロックバンドを売り出すほどレコード会社は甘くはありません。しかし「エンド・オブ・ザ・ワールド」のアルバムは、洗練さには欠けているいるものの、宝石の原石といった趣を持った名盤でした。

「雨と涙」は独特のパフッエルベルのカノンを引用したメロディとアレンジがデミス・ルソスの抑揚ある歌声とマッチして、とても好きな歌なので紹介します。と言っても簡単な英語の歌詞なのに意味はよく分りません。このよく分らない抽象的あるいは象徴的な歌詞がまた良いのですが、無粋ながら少し解釈してみます。
この後は勝手な個人的解釈です。

まず最初の節は、「雨も涙も、水のようなもので、どちらも辛いことでは同じ。だけど太陽の下、他人が見ている前では何もないかのように振舞っていないと、余計に傷つくことになる。」
2番目の節は、「冬の雨に濡れたときは、泣いていてもただの雨だと、自分を繕い、言い訳もできる。」
3番目の節は、「それでも私はあなたの悲しむ姿を何度も見て知っています。」
4番目の節は、最初の節の繰り返し
5番目の節は、「私はずっとあなたを見守ってきて、あなたを愛している。その答えが欲しい。」
6番目の節は、「他人の前で、自分の悲しみを曝け出すことで、心に希望を感じることも出来るだろう。」
7番目の節は、「雨と涙、両方とも疎ましい。私を太陽の下にいるような明るい気持ちにしてくれないから。」
最終の節は、最初の節の繰り返し
で、やはりこれは報われぬ愛の歌、失恋の歌と言えます。この詩の巧みなところは、最初と最後の節は言葉は同じでも、言っている相手が違って聞こえるところです。最初は密かに愛する人に対して、そして最後は愛が報われない自分に対しての言葉だと思いませんか?すると4番目の節は「私とあなた」に共通で、相手と自分に対しての言葉ということかもしれません。「Rain and tears are the same, but in the sun you’ve got to play the game.」の言葉が、愛する人を慰めているようでいて、実は片思いの自分に向けたものだと分ると、この歌から伝わる哀愁がより理解できます。

アフロディテス・チャイルドWikipedia
ヴァンゲリスWikipedia
デミス・ルソスWikipedia(英語)