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フェルメール・真珠の首飾りの少女・青いターバンの少女

絵画・アート
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フェルメールの「青いターバンの少女」(真珠の首飾りの少女)です。

上は、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」とレオナルド・ダ・ヴィンチの有名な「岩窟の聖母」の天使ために描かれた素描です。レオナルド・ダ・ヴィンチの素描は、人物表現の特徴がよく現れているものですが、残念ながら、今回のテーマではありません。
二つの絵を見比べると、フェルメールの「青いターバンの少女」(真珠の首飾りの少女)と頭部の輪郭や陰影がダ・ヴィンチの素描に非常に似ていることが分かると思います。

レオナルド・ダ・ヴィンチ (Leonardo da Vinci, 1452年4月15日 – 1519年5月2日) は、イタリアのルネサンス期を代表する画家です。また、ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer, 1632年10月31日 – 1675年12月15日)は、 17世紀にオランダで活躍した画家です。二人の間には、150年以上の隔たりがあります。

フェルメールの時代はオランダ絵画の黄金期といえる時代です。海外貿易などにより、国は富み、繁栄していました。市民生活の潤いや公的な記録のために、絵画が求められ、画家たちも組合を持ち、絵画技法も発達しました。過去の傑作を学ぶことも当然ありました。そうした環境で、絵画の手本として、レオナルド・ダ・ヴィンチの模写が使われたとしても、不思議ではありません。フェルメールに関する記録はほとんど無く、実際にフェルメールがレオナルド・ダ・ヴィンチを見たかどうかも分かりませんが、過去の傑作から多くを学んだことは確かだと思います。また、職業画家であるフェルメールが高名なレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を知らなかったとも思えません。
しかし、手本となる素材があったからとしても、フェルメールの魅力が無くなる訳ではありません。
フェルメールの「青いターバンの少女」はとても魅力的な絵です。フェルメールの傑作といえる絵は瞬間を捉えたものです。住んでいたデルフトの街の輝かしい瞬間、人物が見せる一瞬の表情や動作を描くことで、普遍的に純粋な永遠なるものを見る者に感じさせます。これは近代的な美の感覚ともいえます。同時代の絵画に見られない、フェルメールの独自性です。古典的な美の感覚はシンメトリーなどによる確定した厳格なものや、劇的な躍動などで、瞬間的な微妙な表現は写真が発達した近代以降の美意識です。それ故、フェルメールの絵画は長い間評価されず、人々から忘れ去られていました。

身近な人物を描きながら、瞬間の美を捉えた代表作が「青いターバンの少女」(真珠の首飾りの少女)です。振り返った少女の瞳、今にも言葉を発しそうな口元、その表情を引き立てる真珠の首飾りの輝きやターバンの鮮やかさは、対象への愛情や慎ましいながらも永遠の生きる喜びを描ききっています。
「青いターバンの少女」(真珠の首飾りの少女)は縦44.5cm×横39cmのカンヴァス、油彩画です。2000年に開催された「フェルメールとその時代」展で目にしたときは、表面のひびや過去の保存状態の悪さが分かるものでしたが、落ち着いた色調のバランスや画家の筆使いの巧みさなども見事で、本当に小さな真珠のように愛すべきものでした。絵画作品の微妙なニュアンスはパソコンや印刷物では再現できないので、機会があるときは、。是非、美術館で実物をご覧になることをおすすめします。

コメントをどうぞ

  1. 中田 より:

    不思議に思うのですが、この絵はなぜ(青いターバンの少女)(真珠の首飾りの少女)の2つの名前をつけられているのでしょうか? 私はフェルメールは青色を描くのが当時は天才的であったので(青いターバンの少女)と名付けられたらと聞きました。