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昭和の歌:名曲・名演


気ままな音楽談です。

森高千里 : 雨

抜群のスタイルとクールな容貌の少女が、ミニスカートの衣装で甘く舌足らずの声で歌うミスマッチな感覚。ミーハー・アイドルとしてデビューした森高千里はそれまでのアイドルとは違っていました。アイドルの姿の裏にある何か身近な存在を感じさせる要素を持っていました。或いはそれはごく普通の少女がひたむきにアイドルを演じる姿に見え隠れする本来の魅力であったかもしれません。ファンはその二重性に、より親近感を持つという図式が成立していたように思えます。
そして「雨」はそんなアイドルだけでない森高千里を見事に表現した歌です。

フォーククルセイダーズ : イムジン河

この頃の韓国に対する国民感情には多分に差別的なものが存在しました。映画「パッチギ」の世界は日本のどこの町にもありました。この歌の歌詞が著作権侵害で発売中止となったとき、日韓両国の間にも大きな河があることをあらためて痛感しました。
しかし、この歌は短命にもかかわらず長く多感な当時の若者の心に残りました。
もしもあの時、対話による和解があったならば、もっと早くに日韓の相互理解がなされたかもしれません。実際には両国の世代交代を経て今に至っていますが、この歌はそれだけの力を予感させた名曲です。
映画のテーマソングとしてこの曲を選んだ井筒和幸監督も同じように感じた当時の若者のひとりではないでしょうか。

シモンズ : 恋人もいないのに

シモンズの明るくピュアなイメージをそのまま歌にしたような清清しさです。

シモンズ : ふりむかないで

とても耳に心地いい曲です。

りりィ : 私は泣いています

他にりりィの出ている曲がYou Tubeにはありませんでした。
本当は「たまねぎ」や「ダルシマ」「タエコ」に入っている歌が好きなのですが…。とても残念です。特に「ダルシマ」はおすすめです。「青春」の輝きがあります。昔このアルバムを毎日聴いていました。ですから「私は泣いています」が大ヒットしたときはチョット複雑な気持ちでした。大人になった歌だからです。この歌のインパクトが大きかったせいで世間は彼女を「一発屋」とも言いました。しかし「りりィ」には良い歌がまだまだたくさんあります。聴かないと損です。(少し思い入れが強すぎますね。)
最近は女優業で存在感のある役柄を演じていますが、音楽活動でも旦那さんとのユニット「Lily-Yoji」のアルバムが出ました。
ところで、ウィキペディア(Wikipedia)のシングル欄に「涙の第三京浜」が載ってないのは何故?あの歌の疾走感も最高です。第三京浜でこの歌を聴きながらスピード違反した人もいるのでは?

高橋真梨子 : ジョニィへの伝言

「五番街のマリー」とともにペドロ&カプリシャス時代の名曲です。
「伝言形式」を歌詞に取り入れ、聴く人を歌の中の当事者とした巻き込む。作詞家・阿久悠の素晴らしい演出です。
しかしこの歌は高橋真梨子が歌ったからこそ更に輝いたのではないでしょうか?
飾り気のない親近感を感じる歌手です。だからこそ実際に自分に語りかけているような錯覚に陥り、歌の世界に引き込まれる気がします。
皆さんもご存知のとおり、彼女はグループ解散後も順調なソロ活動を展開しています。コンサートで見る彼女は本当に人柄が良さそうですね。もちろん彼女のコンサートに行ったことはありますよね?
「別れの朝」「桃色吐息」もあるし、「ごめんね」「For You」などのほうがもっと良いという方も多いと思いますがご勘弁ください。
この歌を選んだのは、子供の頃の横須賀ドブ板通りの印象がこの歌にオーバーラップしているからです。あそこにはこんな物語が本当にあったと思います。

キャンディーズ : 微笑がえし

いい歳をしてキャンディーズ?
別にミニスカート姿に引かれて載せた訳ではありません。「本当?」と疑われると思いますが本当です。
この歌を作詞したのは阿木曜子です。ダウンタウン・ブギウギバンド、山口百恵等々、良い詩は数えきれませんが、この歌の「…おかしくて 涙が出そう」このフレーズはそうそう他の作詞家が書けるものではありません。女性の気持ちを見事に表現しています。この歌が好きな人はきっとこのフレーズが好きなのではないでしょうか?
ですからこのフレーズだけでも名曲です。

伊藤蘭 : 君に涙とほほえみを

やっぱりキャンディーズ・ファン?
…で、1977年、解散宣言 の年の歌ですが、キャンディーズでは表現できなかったパーソナリティがこの歌にはあります。
「君に涙とほほえみを」は1965年のサンレモ音楽祭優勝曲でとても有名な曲です。、日本では安井かずみが訳詞、布施明のデビュー曲でもあります。
歌手の歌唱力が問われる歌ですが、伊藤蘭ののびやかな清涼ははしっかりと自分の世界を表現しています。この歌唱力はもっと評価されてもよいと思いませんか?
「癒し」を求めている人には最適な佳曲です。

ピンクレディー : UFO

やっぱりミニスカート?本当に違います!…
それでは何故?理由を書きます。
この歌も阿久悠の作詞です。こんなにバカバカしいとも思える内容の歌がピンクレディーの前にあったでしょうか?悪口ではありません。これは日本歌謡史のポップ・カルチャーのはじまりです。アート界におけるアンディ・ウォーホールやジャスパー・ジョーンズのようなものです。ですから阿久悠はアメリカン・コミックスの雰囲気を取り入れることで効果を高めたのです。
もちろん時代の変化が下地にありましたが、都倉俊一の曲、阿久悠の詩、土居甫(どい・はじめ)の振り付け。そしてピンクレディーという強力なユニットが結びついたからこそできたことだと思います。
「ペッパー警部」から始まった一連の歌は歌謡界にとって革新的でした。幼児向けの歌ならいざ知らず、子供から大人までに受ける歌詞ではないと当時のレコード会社の関係者は思ったのではないでしょうか。
ピンクレディーから始まったポップ・カルチャーの流れは今はもう当たり前になっていると思いませんか?

ちあきなおみ : 黄昏のビギン

ダンディかつスマートに歌った水原宏の曲をちあきなおみは情感ある歌唱で描写しました。聴き比べるとまるで違う印象です。ちあきなおみの歌はまるで「モダニズムの街、東京」です。(意味不明ですか?)おしゃれで洗練された歌唱です。
この歌をコーヒーのコマーシャルに採用した人はとてもセンスがある人だと思います。

ちあきなおみ : 星影の小径

この歌の元歌は昭和25年の小畑実。やはり、ちあきなおみの歌唱のほうが魅力的です。(小畑実ファンの方すみません。)3分にも満たないこの歌にスリリングなストーリー性を与え、まるでニューヨーカーの良質な短編小説(アーウィン・ショウのような)を読んだときのような気持ちにさせます。とてもスタイリッシュです。

ちあきなおみ : 朝日のあたる家

昭和の名曲という範疇でありませんが、淺川マキの訳詩と共にこの「暗さ」はたしかに昭和という時代のものです。ボブ・ディランの「朝日のあたる家」の解釈をを更に掘り下げたようなちあきなおみの名演です。
でも、ちょっと重過ぎるかもしれません。「喝采」も重過ぎる歌ですが、この「重過ぎる」ことがこれだけの歌唱力を持つ歌手を聴衆から遠ざけた理由かもしれません。

ザ・ピーナッツ : 恋のバカンス

歌謡界ではじめて海外に進出したザ・ピーナッツです。今もヨーロッパにファンがいるほどです。
宮川泰の楽曲とザ・ピーナッツの抜群のハーモニー。戦後の洋曲全盛期を経てオリジナリティーのある和製ポップスの先駆けでもあります。今もカラオケで歌う人がいるほど。この歌に長い説明は不要です。

中島みゆき&吉田拓郎 : 永遠の嘘をついてくれ

2006年、つま恋に集まった観衆の視線が一点に集中したような緊張感はコンサートのピークです。長時間のコンサートにゲスト出演して、一瞬で人々を引き込む中島みゆきの存在感は圧倒的です。
もちろん吉田拓郎の歌は名曲です。名曲が多くて選べないほどですが、時に他の歌手が歌うと更に際立つことがあります。これはその好例。名曲の名演です。

李香蘭 : 蘇州夜曲

長い昭和の時代は様々に変動しましたが、この曲はそのはじめの頃の名曲です。
つかの間の穏やかな時。幻想としての中国への憧れが凝縮されています。

子供の頃にはすでに李香蘭(山口淑子 ではなく)は伝説でした。はじめて見たのはテレビで放映された「エノケンの孫悟空」(もう一度見てみたいものですが、榎本健一主演のアメリカの歌のパクりなど、なんでもありのミュージカル冒険活劇、今ではとてもDVD化や再放映できないですね。)のお姫様役だったと思います。とても魅力的でした。
で、人生ではじめて感じたノスタルジーが李香蘭と蘇州夜曲です。

あおい輝彦 : あなただけを

夏の海辺のリゾートはとても歌になります。
名曲が多い理由は青春時代に経験する恋の思い出が海辺にあることが多いからです。(もちろん無い人もいます。)歌作りに困ったら海辺の出会いや別れをテーマにするといいですね。ほどほどにはイケます。
そんな中で湘南をイメージさせる明るいこの曲も名曲だと思います。(…ん。白浜?)

青江三奈 : 伊勢佐木町ブルース

ため息ではじまるこの歌ですが、青江三奈の天才的な歌唱力が歌の世界を広げた名曲です。
「あなた知ってる~ 港横浜~ 街の並木に潮風吹けば~ 花散る夜を惜しむよに 伊勢佐木あたりに灯りがとーもる…」川内康範のこれだけの描写の歌詞を歌い、夜の街を描き出す。その世界に誘うハスキーな歌唱力は青江三奈だけのものです。青江三奈は本当に歌謡曲の天才でした。当たり前のことですが歌は歌い手を得てこそ輝くものですね。
ちなみに大人になってはじめて訪れた伊勢佐木町はごく普通の街でした。

敬称略

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